キャブレーターを長く使っているとシールやOリングが劣化してきて、ガソリン漏れやフロート室のオーバーフローを起こすようになります。
私も一度フロート室のオーバーフローを経験したので、これを機会にキャブレーターをオーバーホールすることにしました。
今回のポイントは2点です。
(1)Oリング、ガスケット類の交換
これについては経年劣化ということで、10年も前の車体なら一度やっておきたいものです。
(2)ネジ山が痛んでいるエアスクリューの修理
これは私の車体だけの問題で、おそらく前のオーナーがサイズの合わないドライバーでエアスクリューをこじったものらしく、現在は2回転以上緩めることができない状態になっています。これを何とか修理しようと思います。
↓修理前のVM20。外見はわりとキレイです。中もそんなに汚れていません。

■Oリング、ガスケットの入手
キャブの消耗品であるOリングとガスケットはセットになっていて、純正パーツとして入手可能です。何年も前に注文して取っておいたもので、当時は確か2800円くらいでした。

内容物は以下の通りです。
(1)キャブレーターヘッドのガスケット
(2)フロート室のシール
(3)オートチョークのOリング(大)
(4)フロート弁のOリング(中)
(5)エアスクリューのOリング(小)
オーバーフローを起こしたときには(4)の交換が必要になりますので、できれば事前に1セット確保しておいた方が安心です。
応急処置として液状ガスケットでしのぐこともできると思います。
■つぶれたネジ山をどうするか?
エアスクリューが入ったままでは仕方ないので、とりあえずエアスクリューを取り除くことにします。
方法としては「ドリルで頭の方から削っていく」という荒業です。もちろんエアスクリューは使えなくなりますので予備の入手が必須となります。これはさる筋の知り合いからVM20(ジャンク)を頂くことができたので解決しました。
また、ドリルでネジ山そのものを傷めては元も子もありませんので、慎重に作業します。
ネジ径はM6ですので、最初3mmのドリルで芯穴を掘り、次に4mm、5mmとドリルの径を上げて穴を広げます。丁寧にやれば雌ネジにほとんど触れずにできます。
↓いきなり貫通してます(笑)。乾電池式のドリルで2〜3時間かけて掘りました。

↓右端の上段がドリルで根っこだけになったエアスクリュー。下が予備。

エアスクリューが除去できたら、あとは雌ネジの山をタップで切り直すだけです。
■タップの入手
径やピッチを間違えないように、エアスクリューの現物を持って東急ハンズに行きます。
そしてタップ/ダイスのコーナーで探すと・・・ありませんね。
M6のタップはあるのですが、ピッチが1mmくらいのが普通のようです。エアスクリューのピッチはどうみてもそれより細かいです。
売っているタップには「並目」と書いてありますので、たぶんこのエアスクリューのピッチは並目以外の系列なのだと思います。
そこで店内にある相談カウンターで店員さんにピッチゲージなどで調べてもらったところ、やはりM6のピッチ0.75mmで、「細目」という系列で注文も可能だとわかりました。
タップとタップハンドル合わせても2000円以下ということなので、その場で注文し、翌週には手に入りました。
↓今週の秘密兵器。M6P0.75のタップ。

↓タップでネジ山を切り直す。道具さえあれば超簡単。

↓ネジ切りが終わったら、Oリングを新品に交換してエアスクリューのパーツを組む。

↓ちゃんと入りました。メデタシメデタシ。

■フロートバルブのOリング交換
つづいてフロートバルブのOリングを交換します。ここは一度オーバーフローを起こしたので、そのときは予備のVM20からパーツを移植して直しました。そのときもまだユル目な感じだったので、面倒くさがらずにこの機会に新品のOリングを入れます。
↓まずはフロート室を開ける。下にあるネジはドレンプラグ。

↓参考資料。MJ(左)とSJ(右)。

↓フロートピンを抜く。打ち込んであるだけですので、力技で抜きます。

↓左からフロートピン、フロートニードル、フロート。

↓フロートがない状態のフロート室。

↓ネジを外してしまえばフロートバルブが抜ける。(これも力技)

あとはフロートバルブのOリングを交換して逆順に組み立てます。
フロートバルブをキャブ本体に押し込むときは、新品のOリングのせいでかなりきついので、2stオイルをちょっと塗ってやるとよいようです。
■終わり
残りのOリングやガスケットも新品に交換したら、組み立てて車体に取り付けて作業完了です。
このほかにもジェットニードルやニードルクリップ、スロットルバルブスプリングなどキャブにはいろいろな消耗部品があります。
ときどき分解してチェックしましょう。(普通やるでしょ。やらない?あ、そう)
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