冬に装着したデロルトのPHBL25はその後もいろいろ試行錯誤するも、どうもうまくセッティングが出ません。MJとSJをどう組み合わせても、アクセルのどこかで濃くかぶったり薄くてストール気味になったり、というような状況が改善しません。
こうなると怪しいのはニードルかと考え、検討することにしました。
■ニードル選び
ニードルは現時点では2本持っています。
@D30 テーパー長18mm、先端径0.6mm
AD24 テーパー長20mm、先端径0.6mm
D30はおそらくマロッシのキットでは標準のニードルだと思います。
D24はそれよりテーパー長が長くて細身のニードルです。同じクリップ位置にしたとすれば、D24は早めにテーパーが利き始め、やや濃い目になります。
この2本は何度も交換してみましたが、どちらも当たりではなく、どのようにジェットを組み合わせてもドンピシャにはなりません。
PHBLで他にどのようなニードルがあるのかはこのサイトで調べることができました。左側のメニューの中から「MOTORCYCLE
TECHNICAL」の項目をクリックしてみると、そこにニードルの一覧があります。PHBLに使用できるものはDxx系列のニードルで、20本以上ラインナップされています。
私は最初、手持ちの2本がどちらも先端径0.6mmだったことから、先端径0.6mmのものでテーパー違いを購入しようと思いました。一度ショップにそれで発注をかけたのですが、仕入先のほうで取り扱いがなかったみたいで空振りとなりました。
それと前後してWebで前原商会さんの存在を知り、そちらの在庫状況を見てみるとテーパー長18mmで、先端径の違うものが3種類置いてあるようでした。
よく考えると、中間を薄めに持っていくならテーパー長が長くて先端径が0.6mmのニードルでは逆効果になります。D30よりテーパーの短いニードルはないからです。
テーパー長が同じ18mmで、先端径がD30より大きいものであれば、太いニードルになりますから中間が薄めになることが期待できそうです。
そう考えて以下の3本を通販で購入しました。
@D32 テーパー長18mm、先端径1.0mm
AD22 テーパー長18mm、先端径1.4mm
BD28 テーパー長18mm、先端径1.8mm
↓右からD28、D22、D30。D32は装着中でD22とD30の中間の先端径です。

■突然テクニガス
ちょうど同じ頃、知り合いからテクニガスのユーロチャンバーを安く譲ってもらえることになりました。中古品でサビやキズも多いですが、全体にはまだまだきれいな状態です。
もしも新品で買うのであれば私はユーロチャンバーは買わないと思います。たぶんレオビンチなどから出ているツーリングマフラー型のものにするでしょう。しかし中古で安いとなれば話は別です。試せるものなら一度試してみたいという気持ちはありますので、即答で譲ってもらうことにしました。(値段は秘密)
実際に取り付ける段になって、ネジ穴の位置が合わないことがわかりました。というか、私自身はランナーとスキッパーのマフラーの違いは知っていますので、合わない可能性はあると思っていました。もしそうであれば今回はあきらめて返却するつもりでした。
しかし立ち会ってくれていた持ち主がグイグイと力を入れて合わせたら結局付いてしまいました。チャンバーは折れやすいと聞いていますので、力ずくで取り付けることにはちょっと不安も残りますが、まずは取り付け成功ということで。

この日は知り合いのところからそのままのキャブセッティングで帰ってきました。相変わらずキャブの調子は今ひとつですが、低回転でパワーがなくなり、高回転でよく伸びるチャンバーの特性は体感できました。
■ニードル交換
一週間後、いよいよ本格的にキャブ調整に入ります。この日はニードルの選択がメインですので、MJはとりあえず濃い目にしておきます。#105から#115に上げました。この状態では中域はカブリ気味で街乗りには厳しい状況です。
最初に試したニードルはD32です。先端径がワンサイズ大きい1.0mmになります。クリップ段数を上から2段目と3段目、つまり真ん中の2種類を試したところ、結果は今ひとつでした。
次にD22を試します。先端径は1.4mm。これも真ん中の2段を試します。このときに、明らかに中間で薄めの状態ができました。D32ではまだ濃い感じで、D22では薄いとしたら・・・その間?
ニードルをD32に戻してクリップ段数を一番上に上げたところ、低回転から高回転までスムーズにつながるようになったのです。
これが当たりかな、と思い、その週末はそのままで走ってみましたが、100km/hオーバーまで問題なく回ります。ただしところどころ薄いためかややストール気味になることがありますし、ガバ開けしても全然追従してきません。
でも明らかに今までとは違うスムーズさが得られるようになったのは大きな前進でした。
■PHBLの実力を体感
その後、SJを#36に上げ、MJも#120に上げて、ニードルはD32のまましばらく走行してみました。プラグの焼け具合はシッポリと黒くてカブリ気味。ただしニードル変更前と違うのは、アクセルの開度によって濃かったり薄かったりするようなことがなく、上から下までしっかりと濃いのです。
失速するほど濃いわけでもなく、アクセルを開ければ難なく100km/h以上出ます。
これでニードルは決まりかな、と薄々感じてましたが、それはやがて確信になりました。
チャンバー装着以来、大体25℃以上の気温の中で乗っていたのですが、曇り空の日に20℃以下の気温になり、乗り味が激変しました。低速から高速まで非常にスムーズに力強く加速し、ストレスがまったくないのです。これは今までのPHBLの状態のうちでは間違いなくベストです。
わずかにアクセルを開いただけでもエンジンが敏感に反応し、さらにアクセルを開けるよう要求してくるような感覚でした。PHBLはやはりセッティングが当たれば非常によいパフォーマンスを発揮することが体感できました。
また、気温で全体が良い方向に変化するということは全域でバランスが取れた状態で濃い目になっているということを示すので、やはりニードルに関してはこれで概ね当たりと考えてよいでしょう。
夏場は気温が高くなることを考えてジェットをもう少し薄めにしておけばよさそうです。
ニードルが決まってMJとSJでパワーがコントロール可能になったので、あとは季節に応じてジェットを変えて対応する段階になり、私としてはデロルトはほぼ攻略できたと考えています。
ニードルも細めにも太めにも振れるので、今後多少の変動があっても対応できそうですし。
■PHBLをどう評価するか
私個人の評価としては、PHBL25は◎です。良い点としては・・・・
(1)低回転から高回転までよくパワーが出る。
(2)構造がシンプルでメンテナンス性が非常に良い。
(3)評判が悪くて使う人が少ない(笑)。
ただし以下のような欠点はあります。
(1)セッティングのデータが少なく、ノウハウのあるショップも少ない。
(2)パーツ類は基本的に取り寄せか通販になる。
(3)自力でセッティング出しする覚悟が必要になる。
キャブいじりが好きな人ならPE24に代わる選択肢として候補に上げてよいと思います。
私がいじり始めた時点ではマロッシのキットしかなくて2万円以上と高価でしたが、前原商会さんならその半値で買えますので、値段も敷居が高いとは言えなくなりました。
■今後の課題
現在、私のスキッパーは数度の気温の変化に非常にシビアに反応します。これはエアクリボックスの仕切りの穴あけ加工が多すぎたせいかも知れないので、いずれ調整してみようと思います。
それから、テクニガスのチャンバーはこの手の製品の中では静かな部類に入るようですが、やはりうるさいのが気になります。いずれまたランナーの純正マフラーに戻そうと思います。それまではテクニガスを思いっきり楽しみますけど。
■余談・・・PE24のニードルをPHBLで使う
PHBL用のニードルを買い足そうと思い始めたときに真っ先に考えたのが、PEのニードルが流用できないかということでした。試しに一本買ってきて、実際にPHBLのニードルと比べてみたところ、ストレート径がわずかにPEの方が太いですが、軽くスパナなどで叩いてやるくらいでPHBLのスロットルに取り付けできることがわかりました。
今回買ったPEのニードルは36Sですが、これはPHBLに付けてもテーパー部が長くて細身だったため激しくカブり、20km/hも出ませんでした。太めのニードルであれば使用可能かも知れません。
PE24のニードルを流用する最大のメリットは、クリップ位置が5段になることでしょう。デロルトのニードルは4段で、調整範囲はPE用と同じくらいです。ですからPEの方が調整幅が少し細かくなります。デロルトはやっぱり大味なのかな、と思います。
↓上がPHBL用のD30。下がPE24用の36S。

【ご注意】
私の記事ではあくまでも自分でセッティングを詰める前提でPHBLを評価しています。
ショップで取り付けてもらった場合、頻繁にPHBLをいじっているのでもなければベストのセッティングを出すにはそれなりの時間と手間が必要になります。ショップが薦めてくれたなら話は別ですが、注文で取り寄せたりネットで買ったものをショップに持ち込んで取り付けをしてもらった場合は、すぐにベストの状態が出ることは期待しないでください。
PHBLを付けてみて良い結果が出なかった例が数多くあるようですが、それらのケースではおそらくニードルを変えるところまではやっていないと想像します。そういう調整まで望むのであれば、ショップの工賃はクランク軸交換の比ではないでしょうから。
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