朧の彼方、灯りの気配/坂本美雨

坂本美雨の4thアルバム。2007年発売。
中古CDショップでふと目に止まり、手に取ってしげしげと眺める。この人の歌は映画「ネバーエンディングストーリー」のテーマをカバーしてたのをずっと前にチラ聴きしたくらいだなあ。
なぜ気になったかというと、タイトルが気に入ったから。何かしら文学的な気配を漂わすと高尚に見える・・・というか見てしまうのは文学コンプレックスだな>自分。
家に帰って聴き始めてすぐにニヤリとしてしまう。これはシンセの音がFM音源ではないか?と思ってクレジットを眺めると、全曲に「DX7」の文字が。おー、これはすごい。「DX7」と書くからには「II」でもなく「S」でもなく無印「DX7」なんだろうなあ、と詰め寄って問い正したくなる。
YAMAHAのDX7は80年代にバカ売れしたデジタルシンセサイザーのこと。搭載されていた「FM音源」と呼ばれる発音回路はサイン波を6段重ねしたり変調させあうことでそれまでのアナログシンセサイザーとは似ても似つかぬ音色を生み出した革命的な技術だった。FM音源の特にエレピ系やマリンバ系の音は透明感が有りながら独特のエッジがあって絶品なのである。自分はDX7の音色が超好きだ。
そうか、このアルバムは自分を呼んでいたのか、だから気になったのか、と運命の不思議に感心するばかり。
それで肝心のアルバムの内容はというと、棘のない柔らかなリズムに乗って流れる優しい歌声は確実に聴く者の心を癒してくれる。癒しの25%くらいはFM音源の効果だと思うけど。
これは拾い物だった。

曲目
1. オーパス&メイヴァース
2. いくつかのこと
3. Silent Star
4. おぼろの彼方
5. Still Song
6. Swan Dive
7. あかりの気配

そんなわけで、このアルバムはFM音源オタクの方々におススメ。あとはエレキギターとかドラムがゴリゴリ主張しない優しい音が欲しい人にも。

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